【BL漫画感想】それでも、やさしい恋をする/ヨネダコウ
【再読】
それでも、やさしい恋をする (H&C Comics/CRAFTシリーズ)
- 作者: ヨネダコウ
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: コミック
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出口晴海が好きになったのは、小野田良。三歳年下のストレート。気がつくと、好きになっていた。友達でいい。そう思っていたのに、どんどん好きになっていった。
素直になれなくて、不安になって、ささいなことに幸せを感じて、
言えない言葉がたくさんたまっていって・・・
誰かを好きになる切なさと幸せがここに。
好きなBL作家TOP3には入ります、ヨネダコウ先生。実は10年ちょっと前に読んでた以来BL漫画は遠ざかってたんですが、戻るきっかけのひとつでもあります。10数年の間にこんな素敵な人が出てたなんて…ありがたやありがたや。
(ちなみに10年前のNo,1は小野塚カホリ先生でした)
初めに「どうしても触れたくない」を読んで、おお結構面白いな~となり、次に「それでも、やさしい恋をする」を手に取って、スピンオフということであんまり期待してなかったんですが、は?なにこれ?ギュンギュンなんですけど?
囀る~を読んだころには神?神なの?というレベルにはなりました。
ヨネダコウ先生って勿論絵も綺麗で素敵なんですけど、セリフや登場人物の心理描写(特に切ない部分)が逸品ですよね。BLファンタジーですっ飛ばされがちな、ゲイであることの葛藤を丁寧に描いてくれます。
----------以下ネタバレあり-------------
「どうしても触れたくない」の時は梶くんのウジウジ具合が中々に辛気臭かったのであまりそこまでハマらなかったんですが、この出口さんの葛藤具合は物凄く好きでした。好きっていうか、分かる・・・!!
や、私は同性愛者の葛藤は分かりませんが、出口さんが小野田を好きになったきっかけやタイミングって描かれてないけど、実際そんなもんじゃない?(一目惚れは除くけど)デートして、とか優しくしてもらって、とかもあるけど、なんとなーく知り合いになってなんとなーく会うようになって、いいやつだなあ一緒にいて落ち着くなあみたいになって、からの彼女いるっていうね。もう電車の中で彼女といる小野田を見た時の出口さんの切なさったら…!!!
んで気にしてない風を装って共通の友人に彼女のこと聞いたりさ~。やめて~~~心いてぇぇぇぇ~~~~。
この漫画のいいところは、特別トラウマもなく事件もないけど、ただ普通に好きになってどうしようもない気持ちを丁寧に描いてくれてるところ。出口さんの言うこと思ってることひとつひとつにうんうん頷けてしまう。つい打算的なことをしてしまうのも恋愛のどうしようもないところですよね。
まあ出口さんの打算的なところなんてめちゃくちゃ可愛らしいですけどね。世の中の女子たちの方がもっとえぐいことしてるよ。